アパート建築大丈夫?

有馬良一

2009年11月26日 16:12

【アパート建築 2】
前回は、アパート建築に対して第3者の専門的知識を持った方に
アパート事業計画をチェックさせることが重要とお話しました。

アパートの間取り、デザイン、設備や内装など目で確認できるもの
賃貸のニーズや人口の動向、長期の事業収支計画など目で確認できないもの
があります。

今のアパート建築の特徴は、デザインや設備重視と家賃保証等での事業収支の
リスク回避などで受注を増やしています。デザイン、設備、家賃保証の3点が
ポイントです。

この3点で何を求めているのかというと、家賃を高くして事業利回り上げ
家賃収入から経費を差し引いた事業収益をアップさせるためです。
当然、建築業者の利益も上げなければなりません。

入居者の年代は20代から30代の若いファミリーが多く、小学生以下は広めの
2LDK(15坪から16坪)、中学生以上は3LDKか貸家を求める方が多い
です。このファミリーの年収は200万円後半から300万円台が多いので
このボリュームゾーンのお客様をターゲットにして家賃を設定していくと、
近年の家賃相場の値上がりは世帯収入と逆行しているように感じます。長期的にも
景気の展望が見えない中、世帯収入の減はさらに進んで行きそうだす。

世帯収入を想定した賃料の設定は、とても重要です。この賃料を基にアパート
建築費と事業収入をいくらにした方が妥当なのか決定する必要があります。

私は20年近くアパート管理や住宅、アパート建築に携ってきました。
その中で得たのが、賃貸管理は、入居率を如何にして100%に近づけて
計画に長期で安定したアパート事業運営を、借入期間中(20年から30年)
続けることができるか。これに尽きると思います。

借入金は自分のものです。もしもの時には自分の負債です。その返済の責任は
管理業者や建築業者、家賃保証業者が補填してくれません。
アパート建築慎重に。

不動産コンサルティングアドバイザー
有馬 良一

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